




アイルランド人フォトグラファー、イーモン・ドイル(Eamonn Doyle)の作品集。2019年3月から4月にかけてダブリンの「王立ハイバーニアン・アカデミー(Royal Hibernian Academy of Arts)」内「RHA Gallery」にて開催された作者の個展に伴い刊行された。本展は、「マフレ財団(Fundacion MAPFRE)」による協力のもと企画されている。
アイルランドの首都ダブリン中心部に住む作者は、身の回りを予想外の角度から撮影し、都市とそこに住む人々を独特なビジョンで写し出す。 トリミングとフレーミングを意図した形で駆使した「ダブリン三部作」として知られる『i』(2014年)、『ON』(2015年)、『End.』(2016年)は、静寂と狂乱のエネルギー、孤独と共同体が見せる相反する瞬間を描いている。展覧会ではこの写真群を一堂に集め、作者が写し出すダブリン独特のリズムを我々に体験させた。
本展覧会開催時に最新作であった『K』は、作者の作品の中でも最もミステリアスかつ個人的な作品である。大判サイズのカラー写真には、アイルランド西海岸や、その後撮影をしたスペイン西部のドラマチックな背景を携え、絶え間なく形を変える亡霊のような姿が次々と写し出されている。本シリーズとその展示は、アイルランドの伝統である「キーニング(嘆き悲しむ声)」、つまり死者を悼む歌を文脈とし、作者が兄と母親を亡くした経験が由来している部分もある。「マフレ財団」は、スペインにおいて新たな写真制作に挑む優れた写真家を支援するという使命のもと、作者が本シリーズをスペインで撮影した際にサポートしている。
展覧会は、2019年に「RHA Gallery」で初公開されたのち、マドリードへ巡回し、作者の個展としては最大規模となった。本展は、キュレーターのナイル・スウィーニー(Niall Sweeney)がデザインを担当した本書によって補完される。ナイル・スウィーニー、映画監督のボブ・クイン(Bob Quinn)、作曲家兼ミュージシャンのデイヴィッド・ドノホー(David Donohoe)、デザイン史家ゴッドソン博士(Lisa Godson, PhD)によるエッセイが収録されている。
hardcover
288 pages
240 x 300 mm
color, black and white
2019
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