アメリカ人フォトグラファー、ジャスティン・カーランド（Justine Kurland）の作品集。2005年から2010年にかけて幼い息子を連れて決行した、アメリカを横断するロードトリップを背景に、絡み合う2つの物語を表現した一作です。 蛇腹状の製本で綴じられた本書のオモテ面には、ロードトリップを通じて撮影された、作家とその子供を捉えた一連の大判写真が並びます。従来の家族アルバムを覆し、アメリカの風景を横断することが切実な問題であったカーランドの母方の家系と連動する、クィアな母性とイメージ作りの物語を表現しています。 ウラ面には、カーランドが撮影した、アメリカの風景を横切る鉄道の写真が配されています。鉄道＝近代化の先駆けのシンボルというおなじみの神話を解体し、路線がしばしば周囲の自然に圧倒されながらも、草一つ生えないアスファルトの帯と不気味なほど完璧な平行線を後に残して風景を分断し、汚している現実に注意を向けています。 サイン入りの1,000部限定発行。サインとシリアルナンバー入りの作者による手刷りプリントつき。 H164×W203mm）／H183×W253mm／102p